そんな裏設定知りません! 冷酷パパから結婚を申し込まれましたが、これって破滅フラグですか?


「ありがとうルイスさん。とっても楽になったわ」


笑顔でお礼を言うソフィアに、ルイスが呆れたように振り返る。


「それは気のせいです。今日一日、おとなしくしているのが身のためでしょう」


あっさり否定され、もう走り回っても大丈夫そうなのについ眉根を寄せたソフィアだったが、急に眩暈が復活し、ふらりと体を揺らしたあと、その場に崩れ落ちた。

「姫様!」と声を上げてハンナは慌ててソフィアに駆け寄り、小さな体を抱え上げてベッドへ運ぶ。

その一連の様子を、当然ですといった目で見ていたルイスだったが、不意に疑問が浮かんだかのように顔をしかめた。


「姫様は私の名を元々ご存知で?」


突然の問いかけに、目を回しているソフィアをベッドに寝かせながらハンナはちらりとルイスを振り返り見る。


「……いえ、知らないと思いますが」

「そうですか、不思議なお方だ……また明日、属性鑑定に来ますので、ひとまず失礼いたします」


ルイスは横たわっているソフィアをじっと見つめてから、静かに部屋を出ていった。



それからたっぷりと睡眠をとり、日も暮れ始めた頃にやっとソフィアは目を覚ました。


「姫様! 心配いたしましたよ」


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