シュクリ・エルムの涙◆
(あたし達の?)

 あたしの質問にエルムは大きく頷いた。

 ──リトスから聞かされた計画はこうだ──

①サリファの目を盗み、あたしだけシュクリの外へ。まずは『ラヴェンダー・ジュエル』が捕縛している「二千六百年()の悪意」を火口へ投げ落とす。

②次にシュクリの火口上空からサリファ達「二千六百年()の悪意」を『ジュエル』に吸い取り、再びインターデビルへ投げ落とす。

(ココなら山の中で炎がグルグルと渦巻いているから、サリファ達をずっと閉じ込めておけるって!)
(そうなんだ! でも……あたし、どうやって外へ出よう?)
(アタシも天使のはしくれだもん! リルヴィとリトスが頑張っている間くらい、アタシも頑張ってサリファを封じ──)
(あっ! ちょっと待って……確か向こうにビビ先生が教えてくれたトンネルが……それが崩れていなければ、きっと外へ出られると思う!)

 あたしは地面と岩壁の境界をグルりと見渡した。ツパおばちゃんとビビ先生が助けに来てくれた時に通った狭いトンネル。そこから外へ出られるなら、エルムの負担も少なく出来る!

(あ! あれ、あの窪みがそうだよ! でもあたしがいない間、エルム一人で大丈夫!?)

 光明を見つけた喜びとこれからの不安が、あたしの中で交差した。

 エルムを連れて外へ出られないこともないけれど、誤って彼女を落とすことにならないとは限らないものね。


< 284 / 309 >

この作品をシェア

pagetop