シュクリ・エルムの涙◆
 やがて二人の食事マナーも板について、メインディッシュもちゃんと味わいながら終えることが出来た。最後のデザートはフルーツたっぷりのカットケーキ! これならフォークだけで気軽に食べられる~と喜び勇んで大口を開けた瞬間、王様がみんなの会話を中断させた。

「ではロガール、そろそろ話を始めようか」
「承知致しました」

 みんながその発声を機に食事の手を止めた。仕方なくあたしもケーキを刺したままのフォークを下げる。何なんだろう? そんなに改まって……楽しい(うたげ)の空気がピリリと張り詰めた感じがした。

「我等の祖国ヴェルが海上に降り立ち、『ラヴェンダー・ジュエル』の統治下から離れて十七年が経ちました。これまで王家アイフェンマイアの許に立ち上げられた政府によって、国家の継続、周辺諸国との外交等、あらゆる分野の運営を円滑に進めてきた訳ですが……」

 ロガールじじ様が一つコホンと咳払いをして、良く通る声で話し出した。

 何だか難しそうなお話だこと……あたしなんかが聞いても分かるのだろうか?

「……が、三年後の二十周年を目処(めど)に、王家の介入を全て停止し、民間による政府の設立を目指すことを、此処に提唱致します」

 ──??

 うーん、益々分からない……それって、どういうこと?


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