王子な兄(仮)に出会ったら過保護になってめっちゃ構ってきます
これじゃあ、故意に看板を細工して魔物に襲わせようとしたのがバレバレである。
十分に驚いたクラスメイトたちの視線は、ルージュの手元に釘付けになった。
ルージュの手には、上位の魔物を倒したことを示す魔石が握られていた。
「う、嘘…」
「あれって、かなり上のランクの魔物の魔石だぞ」
「しかも、五つも!?」
ルージュは周りの反応を、一通り確認し席に着く。
「なんでよ…っ。なんで、いつもいつもっ、うまくいかないのよっ」
レイチェルは悔しくてならなかった。
庶民なんかに、自分が負けるはずがないのに。