王子な兄(仮)に出会ったら過保護になってめっちゃ構ってきます


強い口調とは裏腹に、瞳は懇願するように揺れていた。

それに不器用な笑みを返す。

「そういっていただけて嬉しいです。…でもこれ以上、学園にいるつもりはありません」

そこで、曲が終わる。

ルージュの家族との縁もこれで終わりだ。

(夢から醒めるときが来た)

「ありがとうございました…」

お辞儀をしながら、誰にも聞こえない声でお礼を言う。
< 311 / 421 >

この作品をシェア

pagetop