王子な兄(仮)に出会ったら過保護になってめっちゃ構ってきます

ー別れ、出発ー



「ルージュ、行ってらっしゃい」

「…いってきます」


これから通う学園は王都にある。

施設がある町から王都まで離れていたので、学園に着くまで二日程掛かる。

途中で宿にも泊まるが、宿泊代(食事代込み)も学園側が出してくれる。

(まさに、至れり尽くせり…)

ふかふかのベッドに寝ころび、これからのことを考える。

ーーあの時、あの人たちから逃げ出さなければ…。

ただ、暴力に耐えていれば…。

こんな風にどこに向かっているのか分からない、迷宮に迷い込むことはなかったのだろうか…。
< 9 / 421 >

この作品をシェア

pagetop