例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う

気持ちを知った女の子。

目を覚ましたのは、ベッドの上。

ゆっくりと目を開けると真っ白な天井。



「優奈っ!」

「優奈ちゃん……」



視界に飛び込んできたのは冬弥くんと美波ちゃんの切ない表情だった。

冬弥くんは眉間にしわを寄せ、美波ちゃんは涙を流している。


ここは……。

ホテルの部屋?

ソファの上に置かれているボストンバッグが目に入った。


あれは私のバッグだ。

じゃあ、ここは私と美波ちゃんの部屋?

意識がはっきりしてくると、先ほどまでの記憶がよみがえる。


……湊くんは?

苦しくて息ができなかった私を助けてくれた……。

湊くんにお礼を言いたい。

そう思って私は湊くんの姿を探す。


少し体を起こすと、湊くんの姿を見つけた。

部屋の壁に腕を組みながら寄りかかっている。

無表情の湊くん。

なにを考えているのだろうか。


でも、それより。

ありがとう、って言いたい。


口を開きかけた瞬間。

冬弥くんの言葉が重なる。
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