例え私が消えたとしても俺は君の隣にいると誓う
「また後でな」



冬弥くんがそっと耳打ちをしてくれる。

クラスメイトに呼ばれ、輪の中に入っていく冬弥くん。

そんな後ろ姿に向けて小さく頷く。



「綾瀬さんもこっち来て! 写真撮ろう!」



クラスメイトのひとりに手招きをされる。

私を呼んでくれたクラスメイトは、劇の練習の時に美波ちゃんの悪口を言っていた女の子だった。


あの日。

教室から出て行った女の子たち。

それ以来は、教室の隅で舞台セットを作っている姿は見ていたけど……。


一度は不穏な空気になってしまった私と彼女たち。

だけど、今こうして名前を呼んでくれている。

教室を見渡せば、黒板の前に晴れ晴れとした笑顔で並んでいるクラスメイト。

いろいろあったけど、文化祭に向けてみんなで頑張ってきてよかったな……。



「優奈ちゃん。私の隣で写真撮りませんか?」



クラスメイトに囲まれるようにしゃがんでいる美波ちゃんも手招きをしてくれる。

……白雪姫役、頑張ったもんね。

大きく頷き、私は笑顔にあふれた美波ちゃんの隣にしゃがむ。



「シャッター押すよ! ……ハイっ、チーズ!」



こうして文化祭が幕を閉じた。
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