アイドルと私。
「お疲れー」

しばらくリビングで3人で談笑…というよりは主に直樹くんに質問責めされていると仕事が終わったのかな？幸一くんがやってきた。

「あの、初めまして。お仕事お疲れ様です。渡辺沙莉と申します。よろしくお願いします。」

慌てて立ち上がって、挨拶をすると

「初めまして。直樹が面倒掛けてます。前澤幸一と申します。俺らよりも年上の方なので、ここからは敬語使うのやめてください。」

さっきの直樹くんとの挨拶とは打って変わって、しっかりとした大人な対応をして頂いた。

「もう、なんで俺が面倒掛けてんの！そんな事ないよね？普通に楽しいよね？」

なんか薄々気付いていたけど、直樹くんの性格は、2人で居る時の雅人くんと似ているかもしれない。でもそれよりももっと無邪気な感じだ。

「はい、すっごく楽しいです。」

「でも幸ちゃん、直樹の事ちゃんと見てて！隙あれば沙莉に触ろうとするから。」

「こら直樹。必要性が無いのに、女性に触れたらダメ。」

「えーなんで？」

「そもそも雅人の彼女さんだし、沙莉さんも嫌な気分になるかもしれない。それでセクハラだって言われても仕方ないぞ。」

「えー紗莉ちゃん、嫌になってたらごめんね？」

「大丈夫ですよ。」

なんて繰り広げられる会話に微笑ましくなる。
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