アイドルと私。
「あ、引っ越し準備で忙しいんですか?」

「そうなの。自分家の荷物を纏めながら、家具家電探さなきゃいけなくて…」

新しい家は契約済なので、もういつでも住んでいい状態。だけど、今行った所で何もないので住めない。私の家の家電はあくまで一人暮らし用なので、お米を炊ける量も少ないし、冷蔵庫だって小さい。そうなると色々買い揃えた方が得策で、冷蔵庫は雅人くんの家の物をそのまま使おうと思うけど、炊飯器は無いし、調理器具だって最低限でこれから一緒に住むってなると、やっぱり色々あった方が料理の幅も広がるし、など色々考えながら自分の家の荷物も纏めなきゃいけなくて…この家の今後は色々と雅人くんが手配してくれて、今月末まで一応住めるけど、早いに越した事は無い。

「まーは手伝ってくれないんですか?」

「そんな事ないよ?契約云々は全部やってくれてて、ただ、私が住みやすいようにって思ってくれてるから、私がやらないといけないし…」

こんな事大きい声で言えないけど、なんと家具家電の費用は全部雅人くん持ち。クレジットカードなんて扱っちゃってる。雅人くん曰く「全部紗莉ちゃんに任せちゃうから、これだけはさせて。」って言われちゃった。別に全部任された訳でもないのに。
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