アイドルと私。
「ねー!俺もなんかしたい!!幸ちゃんはこの件の発案者でしょ、まーは主役でしょ、リーダーは作曲したんでしょ、じゃあ俺は?俺は何したらいい?」

打ち合わせ中、さっきまで黙って聞いていたけど我慢出来なくなったのか、ついに直樹が駄々をこね始めた。

「それはちゃんと考えてる。直樹の得意分野はなに?」

お、さすが幸ちゃん。ちゃんと考えていたんだ。確かに直樹は何もしないのかな?とは気になってたところだ。

「俺?このキラキラスマイル?」

自分で言っちゃう所がなんとも直樹っぽいと2人の会話に耳を傾ける。

「それもそうだけど…ライブ構成。直樹はライブ構成組むのが得意だろ?だから今回の構成は全部直樹に任せる。」

あ、そっか、それがあった。直樹はskyのライブの構成を1から全部考えてる。普段おちゃらけて、俺の相手をするだけではない。そして俺らメンバーだけじゃなくファンからも見に来る関係者からも好評なライブ構成を作り上げるのが直樹の役目だ。

「そうだ、俺それがあった!え?全部任せてくれるの?よっし、絶対いい物作るから!まー期待しててね!」

なんていうやり取りがあったのは2ヶ月前の話。それから俺始めメンバーの皆は普段の仕事をこなしつつも今回のサプライズライブに時間を掛けて色々と準備をしてくれる。ここまでくると後は会場が決まれば最高のライブになる事間違いない。
< 203 / 242 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop