若頭の溺愛の檻から、逃げられない

翌朝

「ん……。」


腰に走ったズキリという痛みで目を覚ます。



「っ……、」


ぼろぼろと落ちていく雫を止められることはできない。




私を攫ったのは、ただ自分の元に嫁がせたいから…?

龍夏とは無関係…。


ただの自分勝手のために

初めてのキスも身体もぜんぶ、全部奪ったってこと?





甘い言葉やキスで溶かし尽くされた。



"逆らえない。"


本能でそう直感した。



妹、おばあちゃん。


ただでさえ、今龍夏に狙われてる。


確かに、冬狼である彼なら

そこにとどめを指すのは容易い事なのかもしれない。






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