クールな歌手の揺るぎない思い〜この歌が君に届きますように〜

初めての旅行

いろいろあった平日が過ぎ週末になる。

小春が温泉に行きたいと言う願いを叶える為、温泉地に宿を予約した。

その前に小春の実家に寄って行こう思う。

穏やかな暖かい日で旅行日和だ。

旅行なんて学校行事以外で行った事ない気がする。
母親が元気だった時は何度か行った記憶はあるが。小春もきっと久しぶりの遠出だろう。

「お待たせしました。」
淡いブルーのロングスカートで白いカーデガンが眩しい。朝から元気な小春はウキウキ気分だ。

俺はというと、小春の母に会う為何を土産に用意しようか朝から悩み中だ。
「何を持ってくべきだ?洋菓子か和菓子だったらどっちがいい?」

「多分何でも喜びますよ。
そんな気にしなくても大丈夫です。」
ニコリと笑う。

「弟は?何が好きなんだ?」

不思議そうに小春が見上げる。
「修哉さんってそう言うの気にしない人だと思ってました。
他人の目とか周りからどう見られようと平気って言うか。」

「俺だって小春の家族にはよく見られたいに決まってるだろ。人相悪いから少しでも誠実さを出さないと。」

「あんまり笑わないから怖く思われるだけで
決して人相が悪い訳ではないですよ。」
褒められてるのか?
愛想が無いと言われてるのか?

「出来るだけ愛想良くする。」

「修哉さんはそのままで充分です。モテ過ぎちゃうと困りますから。」
そんなに心配しなくても小春以外は考えられないんだが。

「まぁ。小春の家族の信頼を得られればそれでいい。
さぁ。そろそろ出発しよう。出来ればお昼前には着きたい。」

「はい。」
小春は元気に返事して助手席に乗り込む。

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