クールな歌手の揺るぎない思い〜この歌が君に届きますように〜
肩をビクッとさせる。
なぜ⁉︎
私の旧姓を知ってるのだろうか⁉︎
2人はお互いに見つめ合う。
瞬間、
時が止まったかの様な錯覚に陥る。
実際には1、2秒だったのかもしれないが、
2人にはとても長い時間に感じられた。
知り合いにこんなイケメンいる訳がない。
頭をフル回転させ記憶を辿る。
誰⁉︎
突如、エレベーターがビーーっと鳴って降りるように催促する。
2人の時間が動き出す。
「知り合い、ですか?」
事の成り行きを静かに見守っていた
黒縁メガネの男が2人に話しかけ、
開くのボタンを再び押す。
「とりあえず、ここから出ましょう。」
2人を外に促しながら、小春に優しげに笑いかけた。
急いで降る。
扉が閉まる直前、エレベーター内の鏡に
黒のチノパンに白いポロシャツその上に弁当屋のエプロンをつけた自分の姿が映し出され、ハッとする。
自分はこの場に相応しくない。
途端に、落ち着かないようすになり、
逃げ出したい衝動に駆られる。
お弁当を入れた袋を持つ手が汗ばむ。
「あの。すいません。
私、急いでAスタジオにお弁当を届けに行かなくちゃいけないんですけど、ど、どちらになりますか?」
黒縁メガネの男に縋る様な目線を向けて、早口でなんとか言い切った。
「Aスタジオには僕らも行くのでよかったら持って行きますよ。」
一瞬迷う。
このお弁当はこちら側のミスだし、直接渡して謝るべきではないだろうか。
「だ、大丈夫です。
こちらのミスで忘れてしまったお弁当なので、直接渡してお詫びをしたいので…」
先程から、もう1人の男の釘いるような目線が痛い。早くここから離れなくてはと焦るが、なんせ場所が分からない。
「分かりました。
こちらです。ついてきてください。」
黒縁メガネの男はニコッと笑いかけ、もう1人の男には念を押すような目線を投げる。
もう1人の男は何も言わずただ静かに、小春だけに目線をむけながら2人の後をついて来た。
なぜ⁉︎
私の旧姓を知ってるのだろうか⁉︎
2人はお互いに見つめ合う。
瞬間、
時が止まったかの様な錯覚に陥る。
実際には1、2秒だったのかもしれないが、
2人にはとても長い時間に感じられた。
知り合いにこんなイケメンいる訳がない。
頭をフル回転させ記憶を辿る。
誰⁉︎
突如、エレベーターがビーーっと鳴って降りるように催促する。
2人の時間が動き出す。
「知り合い、ですか?」
事の成り行きを静かに見守っていた
黒縁メガネの男が2人に話しかけ、
開くのボタンを再び押す。
「とりあえず、ここから出ましょう。」
2人を外に促しながら、小春に優しげに笑いかけた。
急いで降る。
扉が閉まる直前、エレベーター内の鏡に
黒のチノパンに白いポロシャツその上に弁当屋のエプロンをつけた自分の姿が映し出され、ハッとする。
自分はこの場に相応しくない。
途端に、落ち着かないようすになり、
逃げ出したい衝動に駆られる。
お弁当を入れた袋を持つ手が汗ばむ。
「あの。すいません。
私、急いでAスタジオにお弁当を届けに行かなくちゃいけないんですけど、ど、どちらになりますか?」
黒縁メガネの男に縋る様な目線を向けて、早口でなんとか言い切った。
「Aスタジオには僕らも行くのでよかったら持って行きますよ。」
一瞬迷う。
このお弁当はこちら側のミスだし、直接渡して謝るべきではないだろうか。
「だ、大丈夫です。
こちらのミスで忘れてしまったお弁当なので、直接渡してお詫びをしたいので…」
先程から、もう1人の男の釘いるような目線が痛い。早くここから離れなくてはと焦るが、なんせ場所が分からない。
「分かりました。
こちらです。ついてきてください。」
黒縁メガネの男はニコッと笑いかけ、もう1人の男には念を押すような目線を投げる。
もう1人の男は何も言わずただ静かに、小春だけに目線をむけながら2人の後をついて来た。