もう、キスだけじゃ足んない。


ごめん♡

ごめんよ♡


なんて、てへぺろ顔で言われて、もういてもたってもいられない。


「遥!ごはんは作っとくから!」


「おい、くる……っ」


バタンッ!!


なにか言いたげな遥の背を押して、無理やり外に追い出した。


遥、さっきなんて言おうとした!?

いくら桃華の前とはいえ、バカ正直にうなずかないでよ、ばか……!


「ごめーん、胡桃。
帰ってくる時間、前もって伝えればよかったね」


「ごめん、胡桃。
せっかく遥とあつあつ♡ラブラブ♡な時間過ごしてたのに」


「なにいってんの、杏!?」


ニヤニヤ。

ぐへへ。

デレデレ。


そんなふたりの表情に、体にたまっていた熱がぶわっとぶり返してくる。
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