最愛ベビーを宿したら、財閥御曹司に激しい独占欲で娶られました
気がつくと、志遠さんが隣に寝転び、じっと私を見つめていた。恥ずかしくなって、近くの毛布を手繰り寄せる。

「……私、寝て……?」

「いや、五分程度だ」

その五分間、志遠さんは私の寝顔をじっと見ていたのだろうか。ますます恥ずかしさが増してくる。

「眠かったら、寝てもかまわない。疲れているんだろ?」

「でも……お話、聞きたい……」

「今度ゆっくりすればいい。話は逃げないから大丈夫だ」

そう言って、私の額をそっとなでてキスを落とした。

「……陽芽があまりにかわいくて、無理をさせた。苦しそうにしていたのに、さらに追い詰めるようなことをして悪かった」

わかっていて今さら謝るなんて、ちょっぴりずるい。

「大丈夫です。それに、ね。本当は、苦しくなんかなくて――」

最高に気持ちよかった。

そう小さな声で彼の耳もとにささやくと、志遠さんは困った顔で笑った。

「おやすみ。こうして毎日たくさんかわいがってあげるよ、俺の姫」

そう言って私の背中をトントンと叩き、晴にするみたいに寝かしつけてくれる。

私は全身を包む心地よさと睡魔に身を委ねることにした。



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