迷彩服の恋人
「そんな…!私の方が結花先輩にお世話になりっぱなしで!」

褒められ慣れてないから、モジモジしてしまう。

「はは、これね…。この〝小動物的な感じ〟。確かにかわいい。結花が可愛がる気持ち、分かるなー。」

「……でしょ〜?隼人。」

「望月さん。これからも結花のこと…よろしくお願いしますね。」

「はっ、はい。こちらこそ先輩共々よろしくお願いします!」

「…19時回ったけど、土岐くんまだかかりそう?」

「今、『現在地、送れ!』ってメッセージ送っといたから…ちょっと待ってて。」

「『現在地、送れ!』ね!…なら、すぐ返事くるね!…そういえば。今日って、全員"特外(とくがい)"?」

「はい!“志貴3曹”の奢りで〝彼女無し勢〟はカプセルってことに。」

えっ、カプセル!?この流れからして…カプセルホテルの話よね?
皆さん、家帰れないの?どういう状況!?

それに、"トクガイ"とか"サンソウ"って何?

分からない言葉が飛び交ってる…ここ、どこの国?

「あら…“志貴3曹”、太っ腹。じゃあ、時間気にしなくて良いわね。…ところで、“志貴3曹”ご本人はどうされるのかしら?」

「結花さん、泊めて下さい!」

「ふふっ。“志貴3曹”、(りょう)!状況掌握(しょうあく)!」

志貴さんと結花先輩の間では…会話成立してる。

「助かります!……あっ、土岐から返信きた。"現在地、目的地の最寄り駅"。了…"駆け足!"っと。」

「"駆け足!"は、かわいそうだわ。今日は時間に制限ないんだし、普通に来てもらえばいいのよ?」

「大丈夫。土岐にはさほど負担にならない。アイツなら駅から5分で来る。」

「桧原主任、ズルくないですか?主任たちの会話…全然分からないんですけど…。」

「朝香先輩に聞けばいいんじゃない?…どう?(ともえ)?さっきからずっと考えてるけど、分かった?」

「そんなような会話…。どこで見聞きしたんだっけ…。ちょっと待って、思い出す。」

朝香先輩と〝若手2人〟を構いながらもあしらってる結花先輩を見ていると、5分なんて…あっという間だった。
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