魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
わからないが、とにかく今すぐあいつに会いたい。

答えなかった俺を見て、竜牙が目を輝かせた。



「夜明は人間不信で一生結婚しないだろうと諦めていた者たちが喜びますよ……!」

「……うるさい。話が飛びすぎだ」

「婚約するくらいなら死ぬと言っていた夜明が異性に興味を持つ時点で、大事件ですから!」



俺としては、こいつがこんなにはしゃいでいる姿のほうが珍しい。



「で? その生徒の特徴は?」

「ブランってことしかわからない」

「え? ……ブランの生徒なんですか?」



さっきまで浮かれていた竜牙は、俺のひと言で冷静になったのか、いつものテンションに戻った。



「困りましたね……気軽に会えないじゃないですか」



竜牙の言う通り、ブランの生徒に気軽に会うことはできない。
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