魔王子さま、ご執心!① ~捨てられ少女は、極上の男に溺愛される~
「……どうした?」



泣いているのか……?



「実は……今日は、白神様とふたりでお話ししたかったんです。……姉の噂は、白神様の耳に入っていませんか?」



噂?



「いや、何も知らない」

「姉は……言いにくいのですが、とても気性が荒い人です」

「何?」

「あたしは生まれてから15年間……ずっと姉にいじめられてきました」



なんだと……?

鈴蘭が、妹を……?



「……お前、それは本当なのか?」



正直、こいつの言葉が信用できない。

俺には鈴蘭が、そんなことをする女に見えなかった。



「俺に嘘をつくことは、死罪に値すると思え」



その言葉に、一瞬だけ星蘭がたじろいだ気がした。だが、本当に気のせいだと思うほど一瞬のことで、星蘭はすぐに首を横に振った。

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