甘すぎる鈴くん、私を離してくれる気はなさそうです。
 嘘でしょ、、、、


 家は出て行かなくて良いものの、、、


 “ヤンキー”


 その言葉を聞いたら、、、


 真っ先に思い浮かぶのは一般的なチャラい男。


 ピアスとか開けてて、金髪で、、、


 私があんまり好まないタイプ、、、


 義母さんそれを狙って、、、


 私が恐る恐る見上げるとお義母さんの真っ赤な唇が弧を描いていた。


 愉快で仕方ない、そんな顔。


「桃香が決めていいのよ?」


 そう言われた途端、私に拒否権はないと実感した。


 逆らったら、殺されるから。


 行きたくないものにも行かなくちゃね。


「私は行きたい!
 いいかな?」


 これが、お義母さんが望む答えだから。


 求める回答だから。


 そこに私の感情など必要ないんだ。
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