Out of the blue ～デキてない結婚～

タイミング

「え…ちょっと、この赤ちゃん、まさか明菜の子…？」

今日子が、ベビーカーを見てそう言う。

確かに、今日子とは、割と長いこと会っていなかったので、その間に出産していたと思われてもおかしくはない。

「いや、これはちょっと事情が…」

「おーい！世界一美味しいって言い張ってるアイス買ってきたよ！」

呑気な貴一の声が割って入る。

今日子と先輩は、貴一を見てポカンとしていた。

「あ、先輩たち、お久し振りです。元気でした？」

ケロッと言いながら、私にアイスを渡してくれる貴一。

空気、読めていない…。

「ちょっと明菜！私たち、友達だよね？あっ！よく見たら、二人して薬指に結婚指輪してるし…何で、結婚も出産も黙ってたの！？そもそも、付き合ってるってハッキリ言ったこともないし！」

今日子がプンスカ怒っているが、

「だから、事情があるって言ったでしょ…」

私たちは、二人に事情を話すことになった。