メルティ・ナイト
「楓。おまえ、すずかちゃんに余計なこと吹き込んでたら怒るよ?」
赤坂さんの目は、笑っているようで本気で怒っているように見えた。
いままでの優しげな彼とは打って変わった雰囲気。
蛇のような瞳が赤みを増したように感じて……、恐ろしくなり身を引く。
ち、ちょっと怖いんですが、赤坂さん……っ!
彼の黒い部分を見てしまった気がして、たらりと冷や汗をかいてしまう。
そんな赤坂さんの様子を気にするそぶりもなく、楓と呼ばれた猫目の彼は、恨めしげに唇を尖らせて反論した。
「ほんとのことじゃん。美六クンはもっとトップの自覚持ってほしいって、俺はずっと言ってるはずでしょ」