メルティ・ナイト
「えへへ、嬉しい。ありがとう」
「……すーちゃんガチ可愛いわ。男だらけのここの唯一の癒しで泣きそう」
ううっと涙を拭く動作をする楓くんに苦笑いをする。
男子校みたいな雰囲気だけれど、この4人はまったく男の子特有の騒がしさがない。
女子がひとりだけでも、とても居心地がいいことを改めて感じた。
「本当にね。すずかちゃんは、もう俺ら【night】のお姫さまだから、情報を回すよう下の奴らにも伝えておかないと」
ナイト……?
そう赤坂さんは言ったのを、わたしは目を瞬かせた。
そうするとわたしが疑問を浮かべているのをわかってくれた彼は、あっという表情をする。
「そうだった。まだちゃんと説明してなかったね」