こいろり!



正直、何度もミュートにしてやろうか迷ったけど、さすがにそれは止めた。


俺のことを嬉しそうに"お友達"と言ったお嬢様。

周が華花に"家族以外に教えるな"と口にしていたから、もしかしたら身内以外の登録は俺だけなのかもしれない。そう思うと、俺の都合で聞いたのに無視する訳にもいかなかった。


丸3日、その状態が続いた。
と思ったら、今度はプツリと連絡がこなくなった。



「お嬢様の気まぐれかよ……」


返事も3回に1回しか返さなかったし。
きっと買ったばかりの珍しいゲームみたいな感覚だったのだろう。もう飽きたんだろうな。

ほっとしたような、少し寂しいような気持ちになって。学校から早めに家に帰ると──、








「おわっ、なんでいるんだよ……?」


華花がうちの駐車場の端に座り込んでいた。



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