こいろり!



席に戻れば、華花と赤司がめちゃくちゃ話し込んでいた。主に俺の話で……。

楽しそうに笑って、嬉しそうに目をキラキラさせる純粋な小さな女の子。



「……知らね」


ぷいっと、顔を横に向ける。



「知らねーってなんだよ!」

本当(ほんと)に知らねーんだよ!つーか、赤司。くだらねーことに付き合ってねーでゲーセン行くぞ」

「えっ、なんでー?まだ話し始めたばっかりなんだけど」

「あぁ?そんな()っちぇーガキの相手なんかしてられっかよ!」


椅子がガタンと音をたてた。
赤司の腕を掴んで、無理やり引いて席を立ち上がらせる。



「私まだ食べてるのよ!泰良、ねぇ待って……きゃ、」


華花が立ち上がり俺の腕にしがみついてくるから、勢いよく振り払うと後ろによろめいてしまう。
そのお嬢様を支えたのは周だった。




「華花お嬢様、大丈夫ですか?」

「周、どうしたの?そのホッぺた!」

「…………なんでもありません」

「大変、赤くなってるわ!早く冷やさないと…」


赤司を引いて店の出口へと向かう中、そんなやり取りが遠くで聞こえた。


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