こいろり!
「ただ恋愛することに憧れて恋に恋しているだけなのは目に見えています。一過性のもので、本気じゃないですし。ある期間が過ぎれば満足するでしょう」
「あぁ?」
「いえ、泰良さまも少し我慢して頂ければ、すぐ終わりますよ」
こいつの表情、声色。
吐き捨てるような、人を小馬鹿にしたような台詞に、すっげームカついた。
気付いたら右の拳か風をきって、周の顔を殴っていた。
─────ガンッ!!!
「おめー、人のこと馬鹿にしてんのかよ!?」
床に倒れ込む周を上から見下ろして、チッと舌打ちをする。
「泰良さま。すぐ手が出るのは、悪い癖ですよ」
涼しい顔しやがって。こいつにとって、俺は小さなお嬢様をなだめるための面倒ごとの1つってわけか。
どうせ、子供だからすぐ飽きるだろうと思ってるんだろう──。
「ねぇ、泰良って学校でどんな感じなの?」
「授業は寝てるかな。あとはほら、あの頭だからさ、上級生に絡まれたり。俺も目ぇつけられてるんだけどねー」
「泰良は、その……好きなタイプってどうなのかしら?」
「えー、あいつは年上が好みかなー」
「ええぇっ、そうなのぉ?」
「俺は上から下まで広いんだけどね」
「だって、だって!うー、じゃぁ、誕生日は?」
「えっとー、8月だったかなー?あ、俺は5月」
「血液型は?」
「知らねーなぁ……て、あ、どこ行ってたんだよ。泰良お前、何型ー?」