こいろり!
「いえ、その節はこちらこそ失礼しました。私も大人げなかったと思っております」
「あぁ??ならいーけど」
なんか周の態度が素直だと、調子狂うな。
隣に座る華花が「仲直りしたのね!?」と目をキラキラさせて覗き込んでくるし、相変わらず距離近いし。
その小さな手で握られた右手をパッと離すと、華花がムーッと頬を膨らませるからほんとコイツ面白れーよな。
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「泰良さま、ちょっとよろしいですか?」
「なんだよ?」
華花とばあちゃんが椅子に座って話している。そこから少し離れたベンチに俺と周が腰を下ろした。
「単刀直入に聞きます。泰良さまは、異性として華花お嬢様に惹かれているのですか?」
「はぁ?んなっ、……何言ってんだよ。そんなわけねーだろ!」
「では、言い方を少し変えますね」
こいつマジで何言ってんだ??
俺が眉を潜めれば、周がコホンと咳払いをして言葉を続けていく。
「泰良さまは、お嬢様に愛情を持って接してらっしゃいますよね?」
「あぁ?しつけー……」
「シャンプーのいい匂いがすると言ってお嬢様の頭を優しく撫で、頬に手をそえて"華花は可愛いな"と何度も囁き、眩しい笑顔を見せ、お嬢様のキスを受け入れたと──」
「周っ!!」