こいろり!
なんだこれ。なんか、緊張すんな。
華花の小さくて温かい手を握るのに、自身の熱が上がっていくのが分かる。
「ち、……小っちぇー手」
周りは親子連れが多い中、俺と華花はどんな関係に映っているのか。
チビ華花の旋毛を見て考える。恋人には見えねーだろうし。せいぜい兄妹あたりだろうな。
「泰良の手は大きいのね!でも周よりはまだ少し小さいわね」
「……んぁ?」
「周も昔、よく手を繋いでくれたわ。こうやって、私の手を引いて離れないように一緒に歩いてくれたのよ」
華花が懐かしそうに目を細めるのを見て、心の中がモヤモヤしていく。
「はいはい、周ねー。前に泣きじゃくった時もあいつに抱き締めて貰ってたもんなー」
「周は小さな頃からずっとずっと一緒なのよ!だから年の離れたお兄様みたいな存在……て、泰良?怒ってるのかしら?」
「…あー、っそう。別に怒ってねーけど」
「もしかして、周にジェラシー抱いちゃったかしら?」
「あぁん?んなわけねーだろ!?おい、調子のんじゃねーよ!」
「ふふっ。いーのよ、いーの。分かってるから!」
華花が満足そうに笑みを浮かべて俺を見上げるから。何を分かってんだよ、と羞恥とちょっとした焦りが生まれる。