儚く甘い
「これも食べろ?」
みわの皿はいつの間にか兄や母が乗せていく食べ物でいっぱいになっている。
「こんなに食べられないよー。」
食卓の真ん中にはみわがいて、みわを囲むように座る母と兄たち。
「だめ。これ全部食べないとデザートなし!」
「けち!」
そう言いながらもりすのように頬をぱんぱんにしながら食べるみわに、みな微笑んでいる。

「ほら」
兄がみわの好きなオレンジジュースを渡す。
「ありがとう」
「どういたしまして。」
このまま時が止まればいいのにと思う気持ちはだれも口にしない。

「よしっ!デザートを許そう!」
隆文の言葉に喜ぶみわ。
「お母さんもパフェ食べたい!」
「俺も」
ここぞとばかりに手をあげる母と裕介に隆文はあきれたようにメニューを渡す。
「じゃあ、俺も」
と結局家族4人でそれぞれ好みのパフェを頼んで、シェアし合った。
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