儚く甘い
「かせ」
みわがバイクのヘルメットをかぶるのに苦戦していると、達哉がみわからヘルメットを預かって、かぶせる。
子どもにするように、髪まで整えてくれる達哉。

やっぱり達哉は優しい。
時々過保護なくらいに。
そう思いながら、近い距離にある達哉の顔をじっと見つめるみわ。

「あんま見んな。視線で顔削れる。」
「何言ってんのよ」
達哉の言葉に吹き出して笑いながら、みわは達哉に手を貸してもらいバイクにまたがる。

「ちょっとの距離だけだからな?」
「うん!」
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