儚く甘い
「不安があるなら、その可能性があるなら、私はもう達哉とはいられない。」
「・・・」
「でも、私がいなくなっても、笑顔を忘れずに、ちゃんと幸せをつかむためにどん欲に生きてくれるなら」
「・・・」
「もう一度デートしてくれませんか?」
少し潤むみわの瞳から達哉は視線をそらせない。

『俺の夢、代わりに叶えてくれよ』
兄の言葉を思いだす。
『達哉は生きて』
葉月の言葉を思いだす。

また、約束が増える。
約束に縛られながら生きていたみわと出会う前の自分。
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