儚く甘い
約束があるから死ねなかった。
命を投げ出すことができなかった。


今、その約束が増えようとしている。



「わかった。」
縛られる感覚が不思議とないのは、今、みわが目の前で生きているからだろうか。

それとも、兄や葉月との約束とは何かが違うのだろうか。
今はわからない。

でも・・・みわが伸ばした手を、達哉はまるで不思議な力で惹きつけられるかのように握り返していた。
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