儚く甘い
救急車が来るまでの10分もない時間。
その間にみわの呼吸はどんどんと弱くなり、顔色がどんどんと悪くなっていった。

すでに意識はないみわ。

その体が冷たくなることに、隆文も裕介も母も恐怖を感じた。

救急車に同乗したのは隆文。
裕介の車ですぐに母も裕介も救急車を追いかける。

「大丈夫かしら・・・」
震える母の言葉に裕介は返せない。

危ないかもしれない。
今までもたくさんの危機はあった。

でも今回の危機は初めて、死んでしまうかもしれないということをリアルに実感してしまう危機だった。
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