儚く甘い
「みわ」
その声に反応するように、みわの手がピクリと動く。
「みわっ!?」
病院に運ばれてから全く何にも反応を見せなかったみわの明らかな変化に、隆文が近づきみわのバイタルを確認し始める。

「みわ」
母も、達哉と反対側の手を握り、娘の名前を呼んだ。


家族と達哉の想いを受けたみわは、ゆっくりと瞳を開ける。

心配そうな皆の顔を見て、みわは力なく微笑んだ。

「頑張れ。みわ」
達哉がみわの手をギュッと握りながら、もう片方の手でみわの髪を撫でる。
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