儚く甘い
「だから、もっとたくさんの人と出会いたい。」
未来への希望を持った達哉はきらきらと輝く瞳でみわを見る。

「夢をかなえる達哉に、早く会いたい。」
「あぁ」
会えるかな。

いつだって不安は尽きない。もしかしたら、これが最後になるかもしれないといつだって思っている。

でも、達哉がみわの希望だ。

「もしも、私が」
「ん?」
「何でもない。」
手術をして記憶を失うかもしれない。
高次脳機能障害になれば、自分のことすら覚えていないかもしれない。
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