儚く甘い
その夢をみることまでしか、自分の人生を想像することができなくて、夢が叶ったらどうするかは全く考えられなかった。

むしろ・・・終わらせることしか頭になかった。

「みわと出会って、新しく見つけた夢。」
「達哉」
「もっといろんな人と出会いたい。いろんな人と出会って、その人の人生の中でひと時でも一緒に歩めたらいいなって思う。俺は何も持ってないし、何ができるかはわからないけどさ。それでも、何か・・・できたらいいなって。」
達哉が触れるみわの頬。
みわはその手にすり寄るように頬を寄せる。

「みわと出会って俺は変われた。希望も夢も持てた。誰かとの出会いでこんなにも変われるんだって、俺、すごいことだって思うんだ。」
「うん」
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