儚く甘い
「私が私じゃなくなったら・・・」
もしも自分が達哉のことも、自分らしさも忘れてしまったら・・・。
そんな自分を一心に思い続ける達哉を考えたら・・・。

心が痛んで仕方ない。

生きられるかもしれないという希望と同時に突き付けられた現実は、死よりもみわにとって怖い未来の可能性だった。

自分すら怖いと感じる未来に、不確かなものしかない未来に、これ以上達哉を巻き込めない。

やっと未来へ希望を持ち、夢を持ち、叶えようとしている達哉。
生きる希望を持てず、明日にすら希望も光もなく、消えてしまいそうだった達哉。

そんな達哉が今はかわった。
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