儚く甘い
搬送されたみわは、隆文の処置を受けて、点滴と酸素投与で状態が安定した。

意識が戻らない間、隆文、裕介、そして母は病室の簡易椅子に座りみわの目が覚めるのを待った。

途中、搬送されてからの検査の結果がでて、隆文は病室内で確認をして深いため息をついた。

「やっぱり、薬の効果が薄れてきてるってことか」
裕介も検査の結果を覗き込みながら、確認をする。
「いろいろと体に蓄積されているものも多いからな。」
「・・・今回薬をのむまでにアラームが鳴ってからの経過時間は約2分。その時にはもう呼吸が不安定で錠剤をのむのにかなり苦労したんだ。」
「裕介がいたから、薬が飲めなくても砕いたりぬるま湯でとけたけど、いなかったら・・・」
母が震える声で言う。
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