儚く甘い
「じゃあね」
講義が終わるとみわは達哉に手を振って講堂を出ようとする。
「次の講義は?」
「うーん。ちょっと野暮用があってね。」
そう言ってごまかしながら、みわは手をひらひらを振り講堂を出ていく。


彼女の抱えているものの大きさはどれだけ大きいのだろうか。

死のうとするような重大なことなのだろうか。

その抱えているものを彼女は見せない。

誰とも関わらないと決めたのに、どんどんと達哉のテリトリーに入ってくるみわ。

いつの間にか、達哉はみわを気にしている自分に気づいていた。
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