儚く甘い
そんなみわの手を、達哉の大きな手が包み込んだ。

強い力にみわの手は完全に自由を失う。

自分で自分を痛めようとしていた手は、達哉によって包み込まれた。

「大嫌い・・・」
震える声で、達哉の胸に顔を埋めるみわ。

「こんな奴だもん、興味なんてないか・・・」
みわの言葉に達哉は、これ以上隙間がないほどにみわを自分の方へ抱き寄せる。

「だったら、ここにいないだろ。」
達哉の言葉に、みわの瞳からまた新しい涙が伝う。
「それに」
「・・・」
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