ひとつ、ふたつ、ひみつ。
「だって、誰にもバレたくないんだよね?」

「!?」


仁村くんは、とても爽やかな笑顔で、本当にその表情から飛び出す言葉なのかと、目を疑った。

残念ながら、ここにいるのは、私と彼だけだったわけだけれど。


こ……こんな人だったの?


変な汗が、背中にダラダラと流れているのがよく分かる。

暑くもないのに、キャミソールが背中にぴったりとくっついてしまった。


「いいよね。……“ちーちゃん”?」


拒否権を持ち合わせていなかった私は、小さな声で、こう返事するしかなかったのだった。


「は……はい」


この日から、クラスメイトは週に二回、私のご主人様になった。
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