幸福を呼ぶ猫

改札前で待ち合わせした彼女と合流したのは12時だった。
彼女はいつも待ち合わせ時間の5分前には来るので、僕はいつも10分前には待ち合わせ場所に来るようにしている。

「京介くん!お待たせ。ごめんね、待った?」

風に揺られてふわりと広がるワンピースに緩く編まれた三つ編み、ナチュラルメイク。
その全てが彼女にぴったりで、品があって、美しかった。

そんな彼女に頬が熱くなっていくのを悟られたくなくて、少し目線を下げる。

「ぜ、全然待ってないよ!行こっか。」
そう言って僕は彼女より先に歩き始める。
付き合って随分経つのに、僕は何時までも彼女に慣れない。

「ふふ」
そんな僕のことがお見通しなのか彼女は軽く笑って僕の隣に並ぶ。
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