『 最後から、始まる。 』~卒業~ きみと過ごす残り1ヶ月
キーンコーンカーンコーン…
「忘れ物ないかー?
速やかに学校から出るようにー」
校庭の桜の蕾が
膨らみ始めてた
「オレんち、来る?」
「うん…」
変な距離のふたりの間を
まだ春になりきれてない
中途半端な風が通る
同じ学校の人が
なるべく通らない道を選んで歩く
初めて行く
杉山の家
「こっち…」
杉山が私の手を引いた
最後なのに手なんか…
繋いでるわけじゃないか