いいかげんに気付きなよ。
「どーしたのー?」
「ん?えっとね葵くんってば毎回面倒、やだ、とかばっか言うのにしっかり補習にはでるんだよね」
「んー?そうだねー。放課後の学校ってのも特別感あって面白かったし」
なにより、伊坂といっしょだったからいやーな課題も楽しかったんだよねー。
なんて、葵くんがはにかむから。
鼻の奥がつんとする。
涙が込み上げてくる、独特のあれだ。
「……あれ。やっぱり私変態かも。葵くんに振り回されるの、迷惑だったけど楽しかったかもなんて」
込み上げてくる涙をどうにか手で拭う。