いいかげんに気付きなよ。



「それなら良かった……っわ!?」




ぐいっと腕を引かれてーーー





「へっ……?」





ーー気づいた時には、葵くんの腕の中にいた。





ふわりと香る甘い、葵くんの香りに包まれて、全身に熱が走る。





ぎゅっと強く、でも優しく包まれた私の体は身動きができなくて。





「……そのままでいてよ。あと10秒だけ」






普段は聞かない、砂糖のような甘い声を耳元で囁かれる。



熱っぽい、焦がれてるような声で。

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