あやかしと玉響なる風 重なる正義と刃
「その説明はまた後で。ね?」

「……ああ……」

扇子を構えて二人は怯えることなく歩いていく。イヅナは危険なので止めようとしたものの、「君は休んでいた方がいいよ」と男性に止められる。

「あの二人、強いから大丈夫だよ」

刹那、体が浮き上がってしまいそうなほど強い風が街に吹き荒れる。ターコイズグリーンの髪の少女が風を操り、妖を吹き飛ばしていた。

「今日も完璧!さすが僕!」

自画自賛しながら戦っていくターコイズグリーンの髪の少女とは反対に、紺色の髪の少女は無言のまま妖に触れていく。そして、触れられた妖は次々に凍り付いていった。

「すごい……」

アレンが呟くと、「何者なの?」とベラやチェルシーが口にする。ニコリと男性は笑った。

「この子たちは特別な力を持っているんだ。僕は颯。風の神だよ」

「は?神?」

ツヤは信じられないと言った表情だったものの、颯が風を操ってペルトを攻撃しようとしたため、その力を信じざるを得なくなる。
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