君の息にピリオド.
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君の息にピリオド.

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私の友人は昔から正義感の強い、
真面目な子だった。

下ろしたら肩ぐらいある黒髪は必ず
耳よりも上に結ぶルール厳守の男の子。

そしてたまに、
ツボにハマると手を叩いて笑う時があって、それがたまらなく可愛くて。

今でもその表情と音は脳の裏を温めている。


そんな友人に2年前。

“殺人鬼”というあだ名が
付けられていたことを話そうか。

これはある失踪事件からつけられたものだ。

今からこの話をするにあたって、
一つだけ言いたいことは、私はそのあだ名を一切信じていなかったことと、
噂は事実無根のことであったということ。

私の中で友人は今でも、大切で愛おしい存在である。


今はそんなあだ名も忘れられ、誤解も解け、友人も私も平和に暮らしている。


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