君の息にピリオド.
軋んだ歯車(探索開始)
送信すると一時間のストップウォッチの
場所が書かれたメッセージが送られてきた。右から4番目、先頭の机の中。

もう始まっているのだ。

勿論、スマホは持っていけないらしい。


「気をつけろよ。
俺らはもう手助けも助言もできない」

「分かってる、まずはカッターを取ろう」

『遥、
この教卓に乗って賞状を取ってくれない?』


この中で一番背の高い遥、
彼女は頷き教卓に足を乗せた。

倒れないように食満と私で教卓を押さえる。艶子は護身用に使える『鉄パイプ』を
持っているため少し遠くで見守っていた。


「よし、取れた!」


その声通りに握られている手の中には、
深緑のカッターが握られている。

私は教卓をどけ、ガムテープにでぐるぐるに巻かれたドアに隙間がないか確認した。

どうやら後ろのドアには指二本程度の隙間が空いていたらしい。
(それでも素手では開けられないだろう)

すると遥はそこの隙間に、
げんのうで釘を打つかのように垂直で綺麗にカッターを突き刺した。

それを何回か繰り返すと穴が空く、そこの穴を鉄パイプも併用しながらこじ開けて、
15分と少しでようやく開けることができた。

受験ばかりしていたので夏休み中、

運動なんて片手で数える程しかしていない。
体力が落ちたのだろう、
艶子も私も膝が少し震えていた。
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