君の息にピリオド.

後ろの正面、共犯者

この部屋はかなり…いや、だいぶ広い。

器具の置いてある棚が壁全体、窓も覆って
いるため太陽の光は僅かしか漏れていない。

私は薄暗い準備室の電気をつける。

何回か点滅した後ぱっとまるで
太陽のように電灯が光った。

準備室はなかなか掃除が行き渡らない。
なので器具は乱雑に置かれ、
まるで迷路のようになっている。

奥に足を進めると突然、私は「何者か」に
背中を押さえれてしまった。

そのまま食満と遥を巻き込み倒れ込む。
すぐに後ろを見ると大人の女性と___



『艶子』が此処から出ようとしていた。

私は咄嗟に艶子の腕を掴み
こちら側に倒す。…否、倒そうとした。


艶子は女性に腕を引かれたのだろう。

上体がぐらりと揺れて苦しそうに
「カヒュッ」と苦しそうに息を吐き出す。

行かせないと再び強く腕を握っても
艶子はそれを全身で振り払いそのまま
引き摺られるように出て言ってしまった。


しかし逃すわけにはいかない、
私は持っていた鉄パイプを閉められる扉の
隙間に差し込み、鍵をかけられるのを防ぐ。

そして遥と食満で扉を押していき
ふと扉が軽くなったその瞬間、顔にまた
『催涙スプレー』がかけられてしまった。
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