君の息にピリオド.
劇場型犯罪
職員室に入り、辺りを見渡す。

放送室からは鼻水を啜る音が聞こえてくる。

放送室の扉は半開きだ。
足音を立てないようそっと、
2人で扉に隠れながら器用に扉を開いた。

シューっとけたたましくなるスプレーの音。

少し視界は眩むものの保護眼鏡をつけている私たちには効かない。

遥や食満は急いで端によけ通路を作る。

そして渡はこちらをみて目を見開いた。

紗羅が相手の首元に真っ直ぐ包丁を当て、
私が水道管で相手を殴る。

脳震盪を起こしたのか共犯者は座っていた
椅子から転げ落ちた。

チェックメイトか、そう思ったその時―







狭い放送室の中、

紗羅の腹部にナイフが突き刺さった。

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